なぜ、「動け!日本」なのでしょうか?

現在、わが国では、経済成長の原動力となってきた製造業においても、国際競争力を失いつつある産業が見られます。非製造業の生産性は平均的にはその製造業を下回っています。また、廃業率がこのところ大幅に開業率を上回るなど、わが国の起業力の低下が見られ、外国から日本への直接投資の水準も低いままです。財政赤字もこの10年で大幅に拡大し、先進国の中で最も規模が大きくなっています。こうした結果、IMD(経営開発国際研究所)によると、わが国の国際競争力は93年の第2位から2002年には30位にまで低下してしまいました。さらに、従来、日本の経済社会が有していた「安全」とか「信頼」もいろいろなかたちで崩れてきており、社会全体に閉塞感が募っています。

こうした状況の下で、構造改革を推進し、創造性、効率性を高めて経済を活性化していかなければ、日本の潜在成長率は趨勢的に低下し、経済社会の活力は失なわれてしまいます。
構造改革が必要な理由の第一は、戦後日本の成長を支えてきたキャッチアップ型の仕組みが、現在の環境に合わなくなってきているためです。1982年の経済審議会報告書で既に、「日本は歴史的転換期を迎えており・・・これまでの制度慣行を見直し、新しい仕組みを作り上げることが必要である。」と指摘されていますが、この20年、日本は豊かさの中で「惰性」から脱却できないでいるといえます。
第二に、少子高齢化、IT化などの新たな潮流に果敢かつ柔軟に対応できるように経済社会の構造や国民一人一人の意識や行動を変えていく必要があるからです。例えば、アジア諸国の中には飛躍的に成長している国々が出現しており、日本では規格大量生産型のものづくりから、知識が価値を持つものづくり・サービスづくりへと構造転換が急がれます。


「動け!日本」は、日本の経済社会と国民一人一人が今日から「動き」、そして、「変わる」ことを期待して名付けられました。もう止まってはいられません。日本にはそれを実行できる力が十分にあります。このプロジェクトを通じて、日本の科学技術の実力を紹介するとともに、どうすれば新たな事業・産業の創造と国民生活の向上に結びつけられるかを示したいと思います。

重要なのは、「暮らしのビジョン」と「イノベーションの創造」、そして「実行力」です。
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